kinobiru
✷2022 2月号 新建築・別冊(都市に森をつくる) 掲載
✷2022.01.13 日経アーキテクチュア 掲載
✷2021.12.15 朝日新聞 掲載
✷2021.12.10 日刊木材新聞 掲載
✷2021.11.15 日刊木材新聞 掲載
✷2021.11.11 木材工業新聞 掲載
✷2021.11.08 建設通信新聞 掲載
主要用途:事務所+店舗+共同住宅
建設地:千葉県鎌ケ谷市
構造形式:地上1階:RC造、
  地上2〜15階:木造(CLT構造)
  基礎免震構造
最高高さ:44.700m
延床面積:合計 2,875.72㎡
  RC部分 233.54㎡
  CLT部分 2,642.18㎡
気候変動問題に対して、建築をつくることで何が出来るでしょうか。 二酸化炭素を固定化できる素材として世界中で注目されている、 木材を多く使用した建築プロジェクトが千葉県鎌ケ谷市で進行中です。 このプロジェクトは、高層の木造共同住宅と、低層の木造商業施設を建設する、まちづくりの計画です。 二つの建物は構造体に木材を使用することで、二酸化炭素の固定化を図るとともに、地域の人々を呼び込み、 サスティナブル建築物の啓発を行うことを目的としています。2023年末の完成を目指して、現在建設工事が始まっています。
✷ 令和2年度 サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)に採択されました。
敷地は新鎌ケ谷駅からほど近い、街の中心部に位置します。鎌ケ谷市役所の向かいに位置し、前面道路は幹線道路で車や人の往来も多いエリアです。幹線道路沿いには大型ショッピングセンターをはじめ、多くの商業施設が建ち並んでいます。
炭素・二酸化炭素の固定化
高層棟の壁や床、屋根など構造体に用いる木材は1,780.8立方メートルに及びます。
これは天井高さ2.4メートル、広さ6帖の部屋を木材でいっぱいに満たしたとして、 約86部屋分に相当します。
木材は重量の約50%が炭素と言われています。
林野庁「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関する
ガイドライン(令和3年10月1日)」を元に算出すると、
炭素貯蔵量(CO2換算)は、約1,260.8t-CO2 となります。
植林後35年経ったスギの木に換算すると、5056本の炭素貯蔵量となります。
((独)森林総合研究所の算定解説より、杉の木1本あたりに固定された炭素量を68kgとして算出)
一般的な乗用車は年間に約1.3トンの二酸化炭素を排出しており、固定化される二酸化炭素を自動車排出分に置き換えると、約970台分に相当します。
国産のスギとヒノキ、カラマツを使用し、国内の森林資源の活用・育成にも大きく貢献します。
高層棟が解体され、焼却されない限り、炭素・二酸化炭素は固定化され続けるのです。
平面計画
1階は店舗となっており、隣接する木造低層商業施設との往来が生じるプログラム構成となっています。
2階は事業主の事務所として使用します。
3階から14階までは集合住宅となっており、中央吹抜けに面した共用廊下から各室にアクセスします。
15階は居住者のコミュニティスペースとします。
断面計画
構造概要
高層棟は世界的にもほとんど事例のない、地上1階をRC造、地上2階から15階までをCLT(Cross Laminated Timber)構造とし、地下免震構造を採用した、地上15階建て共同住宅です。
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